心理占星術は西洋占星術の世界では比較的新しい分野で、近年人気があります。
古典占星術で星の影響とされていた人の人生の浮き沈みや悲喜こもごも、その原因を外ではなく人の内面にあるとし、ユングの心理学と関連付けて読み解いたのです。
例えば男性の象徴とされてきた火星。これは男性の場合、その男性が抱く自分自身のイメージ、ユングの元型でいうところのアニムスと解釈します。
強烈な火星を持つ男性は無意識のうちに自分自身をその火星と同一視し、自分を英雄、あるいは暴君と認識します。そしてそれにふさわしい決定を下し、こうして無意識のうちに自らの運命を形作っていくのです。
この男性が弱く影の薄い金星を持っていたとします。金星は男性にとって女性を象徴します。元型ではアニマです。この男性にとって女性とは弱くて影の薄い存在です。自らアピールしてくるような積極的な女性、自分と対等な女性は自分の中の女性像と一致しないので、親密になるような選択をしません。縁あって近付くことがあれば矯正しようとすることもあるでしょう。
心理占星術の面白いところは、従来古典占星術で考えられていたように「男は火星、女は金星」ではなく、「男性が自分自身の金星を自ら発揮することが出来れば、それを女性に投影する必要はなくなる」という発想です。
弱くて影の薄い金星を持ち、同時に強烈な火星を持つ男性は、自分の多面性を理解し、涙もろさや繊細さなど「男らしくない」とされてきたことを自分の個性として認めることが出来れば、「女らしくない」女性の魅力に気付くことが出来るのです。
このほかユングのタイプ論である「直感」「感覚」「思考」「感情」の4タイプで人を分類する手法を「火」「地」「風」「水」に当てはめるなど、心理占星術はユングの影響を強く受けています。
心理学に馴染みのある方、占星術に親しんでおいでの方、そしていまこれを読まれた方も、きっと興味深い分野だと思いますよ。
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