ミカミ ポーラのuranaisu

ミカミポーラが福岡は城南区のSalon de uranaisuで書いています。サロンいうても美容院じゃなくて占いするところよ。

占い館の裏側

新規立ち上げの占い館で働き始めた。*1

以前書いたけれど、
占い事務所に所属している間は
お店で使ってる名前を出してwebで活動するのは基本的にNG。
個人で鑑定するのは自由だけど
お店にいらしていたお客様がwebで接触してきて
お店を通さず鑑定してほしいと思うかもしれないでしょ。
だから見つかったら「即刻くび」ということも珍しくない。

ただし今回は新規立ち上げなので
「すでにブログを持っている占い師はwebでお店の宣伝をしてもいい」
ということになっているんだけど
後々面倒なことにならないように、お店の名前は書かないことにする。

さて、新規立ち上げでお花はたくさん届いたんだけど
お客さんはまったくといっていいくらい、来ない。
待機する占い師のほとんどが無報酬で帰る。
交通費は必ずかかるので
お客さん来ないまま出勤日が増えると赤字がかさむ。
しかも占い師さんの多くは
休憩時間にお茶を飲んだり食事に行ったりする。
どうかすると一日2000円近く出費して入金は0。

全国的に有名な「館」の所属占い師さんと話をしたんだけど
こういう事態は知名度の低い店だけではなく
目抜き通りの有名店でもあるそうで
他に生計の手段がない占い師は辞めざるを得ない。*2

「館」所属の占い師は時間で拘束され、経費がかかり、収入の保障はない。
「先生、先生」と敬語で持ち上げられてはいても
吹けば飛ぶような タロットカードに 懸けた命を 笑わば笑え
っつう世界。
鑑定料で時給を計算していたりすると
こういう事態はまったくの予想外だからかなり面食らう。

しかし去年自腹で部屋を借りて対面鑑定に挑んだ私に隙はなかった。
母からの電話で、いま店に出てるって言ったら
「月いくら払うの?」って言われたんだけど
そう、イベント参加なんか交通費はもちろん、出店料も払うわけですよ。

真冬に吹きっさらしのテント会場で鑑定していた先生が
「カードが飛ぶので出店は取りやめます」
と涙ながらに書いていらっしゃいましたが
光熱費と部屋代と宣伝費を持っていただいて
受付も会計もおまかせなんだから
本当にありがたいお話です。
表に看板出しても同室の人と揉めたりしないなんて天国です。

もうね、せっかくお声をかけていただいたんだから
景気付けに常連さんの4、5人も連れて来いって話ですよ。
開運アドバイスとかする側なんでしょ、っつうことですよ。

私も占い師の端くれ、こうなることは占い済。ちゃんとわかっていたわ。
鑑定料の割合なんて当てにしていなかったの。
じゃあ何しに行ってんのかって言ったら
もっぱら空き時間に、占いの勉強をしに行くことを目的としているのでございます。
毎日分厚い本とノートをキャリーケースに入れて
「さて、今日は何ページから」って。

短期的に占いでお金稼ごうと思ったら
webか電話の占い事務所に所属して自宅で仕事するのが一番なわけですよ。
経費はほとんどかからない、豆に待機すれば確実にお金になる。

でも家じゃね、お勉強に身が入らないわけ。
そんでお勉強しないとね、早晩行き詰って、長くやってけない。
断言力と鈍感力と時の運が頼みの綱みたくなるわけですよ。

積んである占術の本をちゃんと読み込んでノートに落とせと。*3
一冊よんせんえんもごせんえんもするような本なんだから
図にして表にまとめろと。即座に開いて使えるようにしておけと。

あと、自宅で声だけ頼りに鑑定していると
手相、人相、家相なんかの、いわゆる相の勉強が出来ない。
去年部屋を借りたのはそのためだったんだけど
相を見るには、やはりお客様にお会いして数をこなさないといけない。
もともと社交家で交友範囲が広い方はともかく
インドアでぽっつりした暮らしの場合、対面の場は超貴重。

というわけで
去年部屋を借りた時は「これは留学だ。経験値稼ぎだ」と思っていたのですが
今回の占い館所属は「これは予備校だ。能力アップだ」と思って励んでおります。

留学の費用はwebの占い事務所で稼ぎましたが
予備校の費用は電話占い事務所で稼いでいます。苦学生です。
ちなみに店は
密林経由でしかお目にかからないようなプロ用占い書籍がどっさりある
県内随一の大型書店と直結した場所にあります。
学習環境には最適です。がんばれ、財布の紐。

↑仕事道具

*1:なぜか占い業界ではお店を「館」と呼ぶ。どう見ても出店みたいなお店でも館。

*2:というわけで、占い師は驚異の主婦率を誇る。

*3:本を開いて鑑定してたらお客様は不安になるけど、ノートにまとめてあれば『勉強家だな』と思ってもらえるでしょ?ってめっちゃ勉強家のある先生も仰っていた。