ブランドは広告で作れない
こんにちは、ポーラです。
占い師になってから占いの技術と並んで自分の仕事をどうやってお客様に知っていただくかという本をいろいろ読んでいるのですが、どのお仕事にも当てはまる広告の原則をまとめたとても面白い本を読んだのでご紹介したいと思います。「ブランドは広告でつくれない 広告vsPR」という本です。占い師に限らず、フリーでお仕事をしている方にはすぐに役立つ話題が豊富で、興味をもって楽しめる本だと思います。
ブランドとは何か
ブランドとはひとことでいうならあなたの仕事の個性です。人と知り合うときに顔と名前を覚えてもらい、個性を好ましく思ってもらえばその顔と名前に好感を持ってもらうことができます。いくら顔と名前だけを憶えてもらってもどんな性格で何をしている人なのかを知らなければ関係はできません。
おなじように、会社名と商品をどんなに宣伝しても、その商品の特徴が理解されないなら商品に好感を持ってもらうことはできません。では商品パッケージと商品名だけでなく、商品の特徴を知ってもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
「顧客は広告に不信感を抱いている」とアル・ライズ&ローラ・ライズはいいます。彼らの言い分をまとめると「顧客はどんなに広告で上手いことをいってもどうせ都合のいい嘘だろうと思っている。だから広告で商品をアピールするのは無駄である」ということになります。
一見広告の力を否定する話に思えますが、両ライズ氏は顧客の宣伝活動を指導する広告と宣伝のプロ。これまで請け負った仕事は政府主導のものから食品、車、高級住宅地やアルコール飲料など多岐にわたります。では広告の役割とは何なのでしょうか。
広告の役割
広告の役割とは「すでに確立されたブランドイメージを思い出させるためのものである」というのがその答え。つまり顔と名前を見て「ああ、あのときの」と好ましい気持ちになってもらえる関係がすでにあるなら年賀状なり暑中見舞いなりを出すことに意味はありますが、見ず知らずの関係で年賀状や暑中見舞いで好感を持ってもらおうというのは難しいというわけです。
広告は商品や企業の存在を知ってもらう役には立ちますが、企業や商品がどんな風に役立つものであるかを伝える力は甚だ弱い。なぜなら広告業界にいるのでない限り、普通の人は広告をにあまり注目しないし、目にした広告を真に受けないように用心しているからです。
そこを見誤った企業はしばしば莫大な広告宣伝費をかけ、革新的で芸術的ですらある広告を作ります。CM、グラビア、各種ノベルティグッズの山。しかしこれらは商品を知ってもらうきっかけにはなっても、商品に好感を持ち、同様のサービスのなかから選んでもらう理由にはなりません。
あなたの家にもどこかの企業がイベントで配っていたノベルティグッズがあるかもしれません。そのノベルティを通じて企業に仕事を依頼したり、商品を注文する気になったことがどれくらいあるでしょうか。
ノベルティグッズをばら撒く企業は人物にたとえるなら顔と名前が入ったオリジナルグッズを配っている人のようなものです。こうした人物が好かれるのはすでにその人に好感を持っているファンだけ。見知らぬ人なら怖いと思うこともあるでしょう。
では企業や商品を知ってもらうには、つまりブランドを確立するにはどうしたらよいのでしょうか。
PRはブランドを作る
「商品力を周知するのはPRである」とライズ氏は語ります。顧客は信頼できる第三者による口コミを重視する。また押し付けられたものではなく、自分自身が商品を知る機会をえることで商品を吟味しようとする。ブランドを確立しようと思ったらPRを打つことは欠かせない。
これを人物に当てはめるなら、自分を知ってもらうためには顔写真入りの名刺を配る前に知り合った相手の力にならなければならないということです。その人を楽しませる話題や役に立つ知識を披露したり、相手の問題を解決したり、助けになる情報を提供したり、実際に仕事を手助けしたりすること。こうした個人的な体験によって人は互いに惹かれあいます。企業も同じというわけです。
その道の権威や著名人、ネットではいわゆるインフルエンサーによって紹介されたサービスは優れたPR例として爆発的な人気を博すことがあります。ピコ太郎がジャスティンビーバーに動画をリツイートされたことで世界が熱狂したことをみなさんも覚えているでしょう。私もまゆこラジオでまゆこさんに紹介していただいてから「まゆこラジオを聞きました!」という多くの方々からお問合せをいただいています。
では紹介者がいない場合はどうやってPRをすればよいのでしょうか。
自己PRでブランド作り
私は占い師になって間もない頃、さるスピリチュアル企業の非常に現実的で実践的な起業セミナーを受講したことがあります。そこで学んだ話に、無料か、または安価で提供できるサービスを作ることの大切さがあります。
これはケーキ屋さんの試食のようなもの。また手軽に買える袋入りのクッキーのようなものです。お財布を開かずに(またはワンコインで)提供するサービスを試せる。実際に口にして、好みに合うかどうかを吟味することができる。そうしたサービスがメニューにありますか。
飲食など物を提供するサービスでは試着や試食がそれにあたりますが、情報を販売する職業の場合はブログやTwitter ,SNS やInstagram などを通じてサービスを試してもらうこともできます。物を提供するサービスの場合は商品の歴史や特徴、手入れ方法やそれが生活にもたらす効果を伝えることもできるでしょう。
こうした安価の、または無料のサービスとして自社を宣伝する冊子を作ることを進めている人もいます。この場合もその冊子が有益なPRになるには読んだ人にとってすぐに役立つ情報が含まれていることが大切です。飲食ならレシピ、アパレルならスタイリングの原則、占いなら占い方や開運方法がそれに当たるでしょう。
あなたが知ってほしいことではなく、お客様にとって有益な情報を発信し続けること。お客様に役立つ安価なサービスメニューを作ること。それが少しずつ(あるいは運よく爆発的に)拡散され、やがてブランドイメージが作られていきます。そして広告が効果を発揮するのはここからなのです。
種をまき、水をやり続ける
ラヴィアン蓉子先生は半年間お客様がひとりもつかない日々を過ごしたあと、ある時期から毎週水曜日に限ってお客様がお見えになるようになったそうです。不思議に思ってある日お出でになったお客様にどうやってここへお出でになりましたかとお聞きしたところ、ある美容師の方がご自分のお店にラヴィアン先生を推薦する手製の葉書を置いておられることがわかりました。その葉書を見た同業の美容師さんたちがお休みである水曜日にお見えになっていたのです。
あなたのお仕事は占いとは無縁のものかもしれませんが、この本の原則はささやかな趣味のお店から大企業まで当てはまるものだと思います。ブランドを知ってもらうにはPRを打つこと、PRを打つために自分ひとりですぐにできることはお客様にとって役立つ商品を無料で、または安く提供すること。こうしたメニューを用意しておけば、ピコ太郎にジャスティンビーバーがあらわれたように、あなたにブレイクスルーをもたらす人がそれを手に取って興味を持つ日が来ても慌てなくてすみます。
簡単に紹介させていただきましたが、豊富な実例と誰もが知るあの企業、この企業のさまざまな悲喜劇、無名の個人が大企業へと成り上がり、大企業が方向を見誤って崩壊するという諸行無常の興亡も興味深く、頁をめくるのが楽しみな本です。ぜひみなさんも手に取ってお読みになってみてくださいね。
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