鏡リュウジ先生の「一日でマスターするルノルマンカード」講座に行ってまいりました。
占術スクールカイロンが主催で、場所は福岡市中央区の書斎りーぶるです。
2時間でルノルマンカードが使えるようになる、という触れ込みで、参加者はおよそ40名。りーぶる二階のセミナールームはびっしり埋まっておりました。*1
「ルノルマンカードを使ったことがある方?」と聞かれて手を上げた方ははなんと1名。残念ながら私ではありません。いつもは予習してセミナーに参加する私ですが、今回は当日書斎りーぶるさんで秘密のルノルマン・オラクルを購入し、ほぼ予備知識なしで出席しました。
マダム・ルノルマンと言えばセルフプロデュース上手なやり手占い師。個人的には占術家と言うより演出上手なストーリーテラーという印象で、そのあまりあやかりたくはない方です。*2しかし最近ルノルマンカードは、「占い師入門」で「誠実、正直、まっとう」を説いておられた高橋桐矢先生はじめ、著名な方の間でも使える占術として注目されはじめています。
もちろん鏡先生ともあろう方がマダム・ルノルマンにまつわるあれこれを知らない筈はない。その辺をどう紹介するのか。素知らぬふりで伝説の占い師による驚異のカードとか言っちゃうのか。
占術もさることながら、そういったお仕事に対する姿勢に興味津々だったのですが、冒頭で時間を割いてそれらの経緯をきちんと紹介していらっしゃいました。さらに「占いってよく『奇跡の的中率!』とか書いてたりしますが、そんなことはないですよね」ともおっしゃっていて、「よかった、堅気の方みたい」と安心しました。
さて、タロットも元々ゲーム用のカードなのですが、ルノルマンカードも本来占いのためにデザインされたものではありません。18世紀末にドイツで作られた「希望のゲーム」という双六(西洋版人生ゲーム)を、ボードからカードに移植して、「プチ・ルノルマン・カード」と名の知れた占い師の名を冠したのが始まり。発売されたのはルノルマンの死語で、ルノルマン自身はノータッチなのです。*3
しかし占いとは事象の背後に見られる潜在的な一致を読み解くもの。占い師にとって占いの道具は画家にとっての画材のようなものなのです。画家の画材が様々であるように、本来占いの道具でないものを使って占う占い師は少なくありません。
こうしてルノルマンカードはドイツの玩具会社で作られましたが、フランス、イタリアなど海外でこのカードを使って占いをする人が徐々に増え、やがてヨーロッパ全域に浸透していきます。
日本で紹介されたのは1980年。しかしいまいち盛り上がらないまま時は流れ、やっと最近カードセットが出回るようになったようです。ネットの普及で情報が入りやすくなり、輸入も簡単になったのでしょうね。
「そこで『これは一番に本を出そう!』と思ったんです。僕、月が牡羊座なんで」と鏡先生はおっしゃっていました。カードは他にも販売されているのですが、西洋での解釈も合わせて紹介した解説書付きのセットは日本初だそうです。
鏡リュウジセットはトランプサイズの紙製。カードだけの販売予定はなし。
カードセットで面白かったのは男女の組み合わせ。本来36枚1組の場合、男性と女性のカードは1枚ずつしかないのだそうです。しかしこの仕様では同性愛者は不便。ということで男性のカードが2枚、女性のカードも2枚ずつ追加したのだとか。近年欧米ではこういった仕様変更が普及しつつあるそうで、結果的に同僚や友人関係を占うにもよいそうです。*4
講座では解説書をほとんど開かず、まずは絵をみて一般的に意味することから事象を考えることが強調されていました。ルノルマンカードは絵柄がシンプルで、「本」「犬」「鍵」など深読みせずにひとつのキーワードから連想を広げやすいのです。
二枚引き、三枚引き、そしてフルセットを使ったグランタブローという方法をレクチャーしていただきました。
さて、当たるのか?
今日の感触ではフルセット36枚をすべて読むという「グランタブロー」がホロスコープのように読みごたえがあり、鋭く当ててくるように思いました。
よく練習して、そのうち皆さんにもご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに!