こんにちは!福岡の団地妻占い師、uranaisuのミカミポーラです。手相、タロット、西洋占星術で日夜みなさまの明日を見つめる、暮らしに役立つ家庭用品のような占い師でありたいと願っています。自分の足元がちょっとおろそかなのが悩み!
この企画は「占い師のところへいかずに自分でホロスコープが読めるようになりたい!」「読めるといえば読めるけれど、いまいちよくわかってないから誰かに教えてほしい!」という方のために、わたくしポーラがアドビイラストレーターで四苦八苦しながら西洋占星術の基礎知識をおつたえするというものです。
さて、今回は番外編で、「四季の空に見られる星座と、占星術でいう四季の星座が違うのはなぜか」というお話。プラネタリウムへいくと「蠍座は夏の星座」と紹介されるけれど、占星術では10月から11月が蠍座。つまり秋の星座なんだよね。なぜだか知ってる?
ちょっと込み入った話だから、「占い師になりたい」「細かいところが気になる」「テキスト読むのがとにかくすき」という方以外は、練習問題の答え合わせまで一気に飛ばしてくださっても結構です。でも知っておいた方がいい話だよ!
日照時間と四季
昔々、およそ一千年以上昔のこと。古代バビロニアのカルデア人は*1昼と夜の長さがほぼ同じになる日を冬の終わり、春のはじまりの日と定めました。これが春分です。また一年でもっとも日照時間が長い日を夏至に、そしてふたたび昼と夜の長さが同じになる日を秋のはじまり、つまり秋分とさだめ、*2一年でもっとも日が短い日を冬のはじまり、つまり冬至とさだめました。これらは農耕や牧畜をおこなう上で欠かすことのできないたいせつな情報です。
こうして春分の日を起点に90度ずつ春夏秋冬の4つにわけ、それをさらに3つずつ30度にわけて、黄道を全部で12に区分にわけて、それぞれの時期に太陽が位置する星座にちなんだ名前で呼びました。これが黄道12宮、つまり獣帯です。
ここまでだいじょうぶ?
暦ができたころ、およそ紀元前一千年以前には春分点に牡羊座がありました。それで春分の日に太陽が位置する地点から30度は牡羊座と呼ばれました。人々は春分の日がきたら、太陽は牡羊座に入ったな!と思ったわけですね。夏至は蟹座に、秋分の日には天秤座に、そして冬至には山羊座に太陽がありました。これら四つは季節のはじまりの星座として親しまれていきました。図にするとこんな感じ。
占星術はもともと暦を作ることではじまったものだから、重視しているのは星座ではなく、春分、夏至、秋分、冬至という日の出から日没までの時間なんだよね。暦として星の位置を記録するための目印が後ろの星座だったわけ。
地球の軌道と歳差運動
ところが地球の軌道はわずかに楕円を描いているので、一年かけて太陽のまわりを一周すると去年いた場所からちょっとだけそれたところに戻ってくる。これを歳差運動といいます。
こうして紀元前1千年前に牡羊座にあった春分点は長い歴史とともに牡羊座から魚座へと少しずつずれて、21世紀にはついに水瓶座で春分が起きるようになってしまった。*3
そしてもちろんこのようなズレは春分点だけでなく、夏至、秋分、冬至とすべてのポイントでおきています。恒星の位置を基準に現在の春夏秋冬を区切るとこんな感じ。
つまり夏至のころに太陽が牡牛座にあるから、夏の夜には蠍座が見えるわけ。
とはいえ昼と夜の長さが一致する春分の位置を牡羊座と呼ぶことは定着してしまっているし、春分を起点に黄道を30度ずつ区切る習慣も定着してしまっている。いまさらほかの星座の名前で黄道を区切れば混乱する。変更してもそのうちまたずれちゃうしね。
ということで、実際に恒星がある場所を「○○座」、黄道を30度ずつに区切ったものを「○○宮」と呼ぶ方法もあります。さきにお話した「黄道十二宮」という呼び名はこのためなんですね。
夜空の星座と黄道の名前は別物だよ!
いわゆる「星占い」で「○○座」という呼び方は定着してしまっているので、この辺の区別は全体的に曖昧になっている。なかにはひらがなで「さそり座」と書いて恒星の「蠍座」と区別していたり、中級者むけ以上になると「○○座」ではなく「○○のサイン」と書かれていることもある。*4
「あなたは○○座」というのはあくまで便宜上の名前で、あなたが生まれた日、そこにその星座はない。(一千年前にはあったんだけどね。)
練習問題
さて、それでは前回の練習問題の回答をお知らせします。
正解は「2015年10月05日 17:18:27」でした!
いまはコンピューターとすぐれたプログラムのおかげで一瞬でこうした複雑なホロスコープが出せるけど、昔はとーーーってもたいへんだったんだよね。ほんの20年前は天文歴という分厚い電話帳のような、しかも高価な星の運行表を見ながら手書きで作っていくものだったんだよ、ホロスコープって!
現代に占星術と出会った人はとってもラッキー!ぜひ星を読める知識と技術を手に入れてね。
それではまた次回からステップ・バイ・ステップでホロスコープを読む方法をいっしょにお勉強していきましょう!まったねー。
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そして本で学びたい人には引き続き西條のゆり先生のこちらの本をおすすめします!