西洋占星術における月の意味
西洋占星術で使う10天体の皇后陛下。地球のただひとつの衛星。つまり地球のまわりをぐるぐる回り続ける星。1日に約13度動き、4週間で獣帯を一周する。
月は同じサイクルで満ち欠けを繰り返しながら白道を通って獣道を進んでいく。*1*2月は時間の経過を知るのに便利な天体なので、旧暦は月を基準に作られている。月の形、また月の出る時間、沈む時間から時節を知ることもできる。月は時間と記憶の象徴。
太陽が昼を支配するのに対して月は夜空でもっとも目立つ夜の女王。昼が公的世界なら夜は私的世界、昼が理知的、合理的世界なら、夜は感情的、精神的世界の象徴。理知的に割り切れないことはだいたい月が象徴する感情で判断する。
月の判断はときに太陽の判断を凌駕し、くつがえすこともある。頭で考えたことに心が納得しないことってあるよね。なので西洋占星術では太陽を見たらすぐ月を見る。*3
月はおはようからおやすみまで暮らしを見守る母親、家長としての夫に対して家政を司る妻、成長が著しく早い乳児*4、公的生活の自分に対して私生活の自分を象徴する。
月は庶民派のファーストレディ
太陽が一年かけて黄道を一周、つまり太陽街道を通って獣帯十二星座諸国を訪問するのに対し、月は一ヵ月で白道を一周、つまり月街道を通ってそれをやり遂げる。
これは大統領が国会と連携しながら地方行政について閣議を進めているあいだにファーストレディが地元を訪ねて回るようなもの。総理大臣の安部さんが国会に詰めてるあいだに阿部昭恵さんが各地でいろいろな活動に参加したり支援したりしているのは太陽と月の連携と似ている。
月は一ヵ月に一度「変わりはありませんか?」「何か必要なことはありますか?」とすべての天体に挨拶をする。*5
太陽ほどの権限はないけれど、人を元気づけたり慰めたり、ときには諫めたり叱咤したりしながら月は十二星座をまわる。そんなちいさな気づきが大きな原動力になることもあるから、月の影響は馬鹿に出来ない。動機付けがないと人は動かない。月は人の心に訴える天体。
月は太陽に便りを送り続ける
新月に夫である太陽と出会うと皆の様子を伝える。夫は自分の仕事に熱中しているので面倒を見られる範囲が狭くなりがち。月はそんな風に玉座の間で見過ごされがちな町や村の話題を月の光で王に伝える。
たとえば太陽が蟹座村にいるときは反対側に位置する山羊座市は放置される。そんなとき月は山羊座市で満月を迎え、「山羊座市のみなさんの要望」を太陽に強く訴える。月の伝播力は高いので、月がこんな風に強く山羊座市の要望を訴えると十二星座諸国全土が山羊座市民の思想に感化される。それでちょっと様子がおかしくなることもある。これをルナティックという。
太陽は月の満ち欠けを通して、つまり十二星座諸国から送られてくる妻の頼りを通して、現在の行政が諸国にどのような影響を及ぼしているかを知る。そして新月では妻を玉座に招き、カジミで固く抱きしめてからまた送り出す。月末婚だけど、仲のいい夫婦。*6
「願い事を聞いてくれる」と近ごろとくに庶民に大人気な月。本もたくさん出ている。
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