ミカミ ポーラのuranaisu

ミカミポーラが福岡は城南区のSalon de uranaisuで書いています。サロンいうても美容院じゃなくて占いするところよ。

「ゆりくまさん」を読んでもらった女の子が占い師になったよ

こんにちは。福岡の団地妻占い師uranaisuです。HatenaBlogの今週のお題は「読書の夏」

ん?読書の秋じゃなくて?夏の読書は暑くて何も頭に入らないような気がしますが、図書館ですね、きっと。図書館で涼みながら本を読みましょうと。どうかな。それとも木陰に座って麦わら帽子をかぶって読むのかな。

ということで、今日は占い師になったきっかけの絵本についてお話したいと思います。

 

幼稚園で読み聞かせてもらった「ゆりくまさん」

立原えりか・作 /  牧村 慶子・絵

幼稚園の年長組で受け持ってくださった先生は、いつも帰りの時間に童話の読み聞かせをしてくださいました。石井桃子先生の「ちいさいモモちゃん」シリーズが印象に残っているのですが、立原えりか先生の「ゆりくまさん」も大好きなお話のひとつです。

 

ゆりくまさんはデパートで長い間売れ残っているぬいぐるみのクマです。あまりに長い間デパートにいたので、退屈したゆりくまさんは本売り場の本を全部読んでしまいます。まず童話、それから順にすすんでいって趣味の本に来たとき、トランプ占いの本を見つけます。

ゆりくまさんはデパートのトランプを使って自分と遊んでくれる子供がどこにいるかを占います。すると「その赤ちゃんはいま生まれたばかり、なまえはマリちゃん。カエデ町の病院にいます」と答えが出ます。そこでゆりくまさんは立ち上がり、地下の食品売り場からクローバーの蜂蜜をひと瓶もらって、カエデ町まで旅に出ます。 

もうすぐイベントをさせていただく博多阪急の5階にもテディベアショップがあるのですが、あのクマさんが8階の文教堂の本を閉店後に読破して占いをしている…。そして地下の食品売場で蜂蜜を…と想像するとすごいですよね。

2015年の夏も博多阪急のイベントで占うよ - uranaisuが占います

 

でも、子供の頃それより驚いたのは「『占い』ってトランプをつかってそんなことがわかるんだ」ということ。子供ながらにゆりくまさんはお話のクマだとわかっていましたが、「占い」というのは本当にそういうものなのだと信じてしまったのです。思い返してみるとこれが私の占いに興味をもったきっかけでした。

占い師になったいま考えると、トランプで時間と場所と知らない人の名前まで読み取ったとはゆりくまさん、占い師としても只者ではありません。ゆりくまさんが読んだトランプ占いの本を私も読んでみたいです。

 

人を愛することのせつなさを教えてくれる絵本

ゆりくまさんは生まれたばかりのマリちゃんに夢中になり、マリちゃんと一緒に暮らしはじめます。寝ても覚めてもマリちゃんのことばかり。しあわせな日々です。でも日に日に大きくなるマリちゃんと違ってゆりくまさんはぬいぐるみ。なんとかマリちゃんにふさわしくなりたくて、ふくらし粉を使って大きくなろうとしてみたり、試行錯誤をくりかえします。

そんなかわいいマリちゃんに恋い焦がれていたのは、ゆりくまさんだけではありませんでした。実は家の近くに住むねずみもマリちゃんがすきですきで、「ひとくちでいいからあのほっぺたをかじってみたい」と思っていたのです。

ゆりくまさんはねずみたちからマリちゃんを守ろうとちいさな体で戦いますが…。ここから先はご自分で読んでいただいた方がいいですね。きっと全国の図書館にあると思います。

 

立原えりか先生のやさしくてどこかせつないこの童話は、心に深くしみこむような不思議な魅力がありました。大人になってから自分で買って読み返したのですが、マリちゃんを思うゆりくまさんのいじらしさと健気さに、ひとを愛することの厳しさと痛みが生々しく感じられ、こどものころとは違う意味でつらくなり、結局手放してしまいました。

 

マリちゃんが大好きだからマリちゃんを命がけで守りたいゆりくまさんと、マリちゃんが大好きだから自分の願望を抑えきれず、マリちゃんを傷つけることをなんとも思わないねずみ。「マリちゃんが大好き」な二人の対比も考えさせられます。幼いマリちゃんが物語の結末で笑っていたことは、ちいさなゆりくまさんを安心させたかもしれませんが、私はマリちゃんに泣いてほしかった。なんだかゆりくまさんの片思いのように思えてしまったんですね。立原えりか先生はどうしてこんなにせつないお話を書いたのかな、と考えてしまいました。

 

マリちゃんも「こんとあき」のあきちゃんくらい年齢なら反応が違ったのかもしれません。ちいさな自分を守ってくれる、親とは違うだいじな友達。おもちゃが主人公のだいすきな話はほかにもあるので、またいつかご紹介したいと思います。そのお話もちょっとした占いが出てくる話で、ひとを愛するとは何かがテーマになっています。

絵本はこんな風にそっとやってきて、知らない間に一生を左右するような影響を残していくのであなどれません。あなたのたいせつな絵本はなんですか。

 

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