ミカミ ポーラのuranaisu

ミカミポーラが福岡は城南区のSalon de uranaisuで書いています。サロンいうても美容院じゃなくて占いするところよ。

占い師になるには

風邪を引いて、声がへんてこになっておる。
電話占いで待機してお客さんが来ないとほっとしている。こういうときチャットだといいんだけどねえ。

先日書いた占いの館の面接のこと。この業界で仕事を始めて、初めて要履歴書の面接だった。久しぶりに履歴書書いたよ。契約に必要な書類もどっさりあって、住民票も出す。指定の銀行に口座開設するようにも言われた。大手になればなるほどこういうところはちゃんとしている。

最初の占い会社は面接は電話のみ、身分証として免許証コピーをメール添付、マニュアルはpdf、郵送物一切なし、もちろん源泉徴収もなしだった。路面店の占いの館なのに本名も住所も確認されず、支払いは手渡しという店もあった。契約書はあっても振り込まれるはずの支払いがないというところもある。会社はよく選んだほうがいい。

今回は紹介者がいたせいか、鑑定のテストはなく、鑑定歴も聞かれなかった。チャットや通話での鑑定なら、自宅に占いの道具がある状態でテストが出来る。でも文字通りの面接だと仕事道具を持っていって広げる必要があるので、その辺は逆に省略されるのかもしれない。

占いを仕事にしようと思った当初、「占いの館」の求人広告をいくつも見た。そのころは「占い師として三年以上の経験がある方、または同程度の実力のある方」という店がほとんどだった。最近は占い師として働いたことがなくても、それどころか占い自体未経験でもOKの会社まである。OJT可の波なのか。占い師なのに占い出来ないって変な気がするけれど、カウンセラーとして優秀な方や、霊感のみで鑑定する方もいらっしゃるからかもしれない。

占いの館はほとんど出来高の業務委託という形をとっている。業績によらずお給料を払う雇用関係と違って、売り上げがない日は店が占い師に支払うものは何もない。拘束時間代も交通費も出さなくていい。だから占いの館はたくさんの占い師を抱えても人件費はかからない。
とはいえ実店舗のある対面鑑定だとテナント使用料や光熱費や宣伝費はかかるし、電話やネット鑑定でもシステムの運営やサイト管理にお金はかかる。稼ぎの少ない占い師を置けばその分店は損をする。態度が悪い占い師を置けばリピーターが減る。だから最低限のルールは決まっているけれど、採用基準はほかの仕事に比べたらコンビニよりずっと甘いところが多いんじゃないかと思う。

これを読んでいる方の中には、占いの仕事をしてみたいけれど、自分のレベルがどのくらいなのかわからず、応募を躊躇している方がいらっしゃるかもしれない。占いで食べていくまでの道のりは長いけれど、占い師として会社に所属してデビューする道はそんなに難しくない。
占い会社はなるだけ大勢の占い師に所属してもいたいと思っているところが多いので、週に何日か、あるいは何時間か待機する時間を作れる方は応募してみてはどうかと思う。求人を出す会社もあるけれど、募集していなくても直接営業をかけるとこの業界では割合歓迎される。

さて、面接のときに面白い話をいくつか聞いたのでご紹介したいと思います。

今回ご縁をいただいた会社はお抱え占い師を大勢持っている。そのなかで特にお客さんに支持されてるのはアラウンドセブンティー。70代といえば普通の仕事ではリタイヤする年齢だけど、占い師は人生経験がものを言う職業なので年長者は喜ばれるのだとか。60代でそれまでの仕事を引退して占い師に転向、70代で現役バリバリというのはよくあるスタイルなのだそうです。
「人気のある占い師はまずお年寄り、次に女性、最後が男性の占い師です。お客様の割合で言ったらお年寄りに10人、女性に6人ついて、男性に1人つくかつかないかです」。
男性占い師は実力があっても選ばれない期間が長くなりがちなので、下積みに耐えられるかどうかが問題なんだって。へええ。

次に「パッと見てインパクトがある、変わった風貌の人が人気が出る」。
お客様は非日常を求めてお出でになる方が多いので、キャラが立っている人が選ばれやすい。極端な体格、目立つ体型、華やかで芝居がかった衣裳はやっぱりお客様の目を引くんだって。テレビと同じだね。マツコさんは占い師になっても人気出ると思う。
同時に、どんなお客様がいらしてもマイペースでいられることが大事だそうなので、簡単にはがれるにわか作りのキャラクターはNG。気が動転したときに地が出ちゃうもんね。

ということで、この日を境に私は衣装とテーブルセッティングも仕事のうちだと思うようになったのであった。今回博多阪急8階フロアに呼んでいただいたのだけれど、売り場の雰囲気を毎日新鮮に保つためか、テーブルの位置が日替わり。靴屋さんと鞄屋さんの間を毎日行ったり来たりしている。来週はさらに5階と8階の間の往復もあり、途中所属先の占いの館に出演する日もあり、まあちょっとした屋台を引いている気分でございます。

いまだに何度も読み返す一冊。