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ミカミ ポーラのuranaisu

ミカミポーラが福岡は城南区のSalon de uranaisuで書いています。サロンいうても美容院じゃなくて占いするところよ。

強運の育て方

以前ある経営者の方を占ったことがあるのですが
その方は当時のお仕事を始める際、ある占い師から
「大変な勢いでお金が流れ込んでくる」
という意味のことを言われ、とても期待していたそうです。

実際その方はそのお仕事でかなりのお金を得ました。
その方のお仕事は時流にあったものでしたし
それ以前にはなかったものだったので
その後たくさんの会社が同じ業界に参入してきました。

後から参入してきた会社は先人のやり方を分析し
必要なサービスを追加し、不要なものを排除していきましたが
その方は最初に成功した方法を変えようとしませんでした。

いつしかその方の仕事のやり方はすっかり時代遅れになり
私が出会ったころは経営も思わしくありませんでした。

「占い師はね、いいことばっかり言うんですよ」
とその方は仰いました。
「別の占い師からはすごい石だっていう石も、貰ったんですよ」
その石は散らかった仕事部屋ですっかり埃を被っていました。

こういうときよく思い出すのは「まんが日本むかし話」の
「鼻たれ小僧様」という話です。

貧しいけれど正直でよく働く男が、不思議ないきさつで
鼻を垂らしたみすぼらしい男の子と巡り合います。
この子供は願い事をすると、ふ〜ん!と鼻をかむ音を立てます。
すると願ったものがたちどころに現れるのです。
男はその子を「鼻たれ小僧様」としてあがめます。

この子供を預かる条件が一つだけあります。
それは毎朝手づから取れたての海老なますを食べさせること。
男は授かった幸運を心から喜んで、毎朝せっせと海老なますをお供えしますが
大きな家屋敷に何人もの使用人を使うようになると
その仕事が徐々に億劫になってきます。

そしてとうとうある日
「小僧さま、もう何もかも十分ですから、そろそろお引き取り願えませんか」
慇懃無礼に、体よく小僧さんを屋敷から追い出そうとします。

小僧さんは何も言わず素直に屋敷を出ていきますが
入口の敷居のところで振り返ると
「ずずずずず」
と、初めて鼻を大きくすすりあげます。

すると男がそれまで得た富の数々、家屋敷や使用人、色とりどりの反物など
すべてが忽然と消え失せ
後には身一つの男が呆然と立ち尽くすだけでした。
小僧さんは二度と戻ってきませんでした。

子供の頃は「毎朝海老なますをお供えするだけなのに!*1
と思いましたが、大人になって自分をよく知るようになると
どんな小さなことでも「毎朝自ら動いて必ず実行する」ということが出来たら
それは大したものだ、ということがわかりました。

運がない人、運がない時期というのは
海老なますをお供えする鼻たれ小僧さまがいないようなものです。
努力しても実りに繋がらない、努力を傾ける対象が見つからない。
運がある人、運がある時期というのは
海老なますさえ確実にお供えしていれば
あとは小僧さまが出してくれる状態です。

いわゆる「出会いの時期」「飛躍の時期」「金運が向いてくる時期」というのは
小僧さまが近くにいる時期であって
小僧さんが一方的に何か出してくれる時期ではないと、私は思います。
何しろ子供ですから
小僧さんの面倒はこっちがみてやらないといけません。

役者の堺雅人さんが「情熱大陸」の中で役者の仕事について

自分で決められることが非常に少ない。
オールだけで進める距離じゃない。
風が吹かないとダメだし、潮が来ないとダメだし。
そりゃもう自分ではどうしようもない。
だけど自分が必死にオールをこぎ続けることしか出来ない。
そういう意味では非常に大変な職業だなと思う。

と仰っていました。

運が向いている状態というのは、堺雅人さんのお話で言えば
必死にオールを漕ぎ続ける間、潮の流れにそって追い風が来るときです。
どちらに進むかを決めて、しっかり漕いでいないと舵取りが出来ません。

前述の経営者の方は
開業当時は奮闘努力で、追い風と潮の流れに上手く乗ることが出来ていました。
でも私がお会いしたときは
鑑定結果で浮かび上がった改善点をお伝えしても
現実的に見て明らかな問題点をお話しても
「それは大した問題ではない」
「やろうと思っているけれど、なかなか」
という調子で、手間暇の点でも、費用の点でも
テコ入れのための投資を結果的に頑として拒んでいらっしゃいました。

「いつか余裕が出来たらやるつもりです」
「いまこんなに困窮しているんだから無理です」

そして上手くいってそうな人を見ると
対価をほとんど、あるいはまったく支払わずに頼みごとをしようとしたり
相手の成功に難癖をつけたりと、悪循環にはまってしまっていました。

陰陽五行思想では
陽を手放し陰を引き寄せることが
新たな陽を手にするために大切なこととされています。

つまり投資をしたり、人に対価を支払ったりと
短期的な損を作り出すことが
より大きな陽、つまり経済的な成功に繋がるということです。
持っているわずかな陽を握りしめているだけでは
それ以上の成功は見込めません。

手軽で身近で確実な厄払いは
人助けをし、人に贈り物をすることです。
手放した厄は人の手に渡ると福に転じると言われています。*2

風があるときもないときもオールを漕ぎ続けること。
毎朝獲れたての海老なますをお供えすること。
そのために、時には手元の陽を手放すこと。
これが運を育てる秘訣だと私は思います。

お金が手に入ることは最終目的ではありません。
手に入ったお金を使って
そしていま手元にある資源、時間、体力、人脈、才能を駆使して
最終的に手に入れたいものを掴むことが本当の目的ではないでしょうか。

結果として望んだものを手にして、けして離さない人
そういう人のことを、強運な人というのだと思います。気の流れをよくするならグッズ以前にお掃除ですよ。

*1:海老なますが何なのかはいまだにわからない

*2:このことから厄年の人が地域の人々に贈り物をする習慣がある地域もある。