ミカミ ポーラのuranaisu

ミカミポーラが福岡は城南区のSalon de uranaisuで書いています。サロンいうても美容院じゃなくて占いするところよ。

スマイル待ちの占い師

初めてのアルバイトはハンバーガーショップで、そこではマネージャーから
「おまえはスマイルが足らない」
と断言され、サービス業は向かないと思ったこともあった。でも違った。
わたしはサービス業に適性があった。
つまりお客さまの喜ぶ顔がモチベーションになって、これまで色々な仕事をがんばれた。

問題解決とか、大好き。居酒屋もウェイトレスもサポセン業務も楽しかった。
ちょっとしたサービスや笑顔でお客さまに喜んでいただくととっても嬉しい。
でも占いの仕事では何がお客さまにとって最善なのかわからないことがある。

わたし自身は占いを天気予報のように考えている。
「今日は種まきをしようと思うんだけど、天気はどうですか」
「午後から雨だけど風はないので午前中がいいんじゃないですかね」
という感じ。

ところがお客さまが望んでいるのは
「雨が降らないようになるには?」
だったりする。それどころか
「いつ晴れて虹が出るかを占ってください」
「雨が降っても濡れないようにする方法を教えて」
ということもある。

具体的には「彼から告白してもらえますか」とか「女優になりたくてオーディションを受けているんだけど、いつハリウッドでオスカーを取れますか?」とか「お互い既婚者ですがこの関係はいい状態で続きますか」とかね。

こういうときにお客さまが言って欲しい言葉は、上手く行くためのアドバイスじゃなくて「上手く行きますよ」という言葉なんじゃないかと思うことがある。
それだけじゃなくて「上手く行くことは私が責任持って保障しますよ」なんじゃないかなと思うこともある。

それが多分、呪術系鑑定に繋がっているのだと思う。
いくらかのお金と引き替えに魔法をかけてもらうの。

だから「あなたがオスカーを取るという結果は今のところないけれど、女優として成長するには」とか「彼に告白されそうな兆しは今のところないけれど、あなたの魅力をのばすには」とか「秘密が暴かれるという警告があるから注意してね」とか、そういう「雨が降りそう」「晴れそうな気配はない」という結果は対処法つきでも歓迎されない。

こういうお客さまには「ええ、あなたが女優としてこの方面で努力するとこんな風に才能が開花するので、そうなればオスカーも夢ではありません!」みたいな、宿題を嫌がる子どもをご褒美で釣るような言い方をしても「じゃあいつ才能が開花しますか?それでオスカーを取るのがいつかを教えてください」ってなっちゃうんだよね。

わたしが尊敬する占い師は、復縁希望の相談者にはっきりと「あなたはこの方とお別れすると思うわ」と話していた。相談者は泣いていたけれど、最終的には気持ちの整理がついたようで悲しみのうちにも希望を持って帰って行った。

わたしもそんな風になれたらいいんだけど。言い方の問題なのかな。あ、でもその占い師は予知も出来る方だそうで「あなたは何年後にこういう方と出会ってお子さんを何人持つ」というところまで話していたのだった。もっといい物件がありますよ、ということで元気が出たのかな。

これが一つ目の問題。

もう一つは「これからホープダイヤを盗みに行こうと思うんだけど、掴まらずに盗んで高く売りさばきたい。成功するにはどうしたらいいですか」というような、相談者にとっても周囲の人にとってもいい結果になりそうにない相談。
これについては長くなるのでまた今度。

@uran_ice